ガラルマタドガス 単体考察
天然ピクシーの解禁によって、積み技による高耐久サイクルの崩しが難しくなりました。
そのため、特にピクシーを意識することなく構築を組んでしまうと、ピクシーに対する解答がどうしても一撃技に依存してしまうことも珍しくないと思います。
そこでピクシー単体だけでなく、ピクシー入りの高耐久サイクル全般に対して、択になりづらく再現性の高い崩し枠として機能しうるガラルマタドガスを紹介したいと思います。
ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、ガラルマタドガスは受け回し全般に強い駒として知られています。ただ現状有益な単体考察記事が見られなかったのと、特に増え続けるピクシーに対してのメタの需要が高まっていると考え、今回記事を書くことになりました。
1.積みと天然
剣盾環境においては総合耐久値が際立って高いポケモンがいるわけではないので、受け回し側の相手の積みに対する解答は特性「天然」に依存することが多いです。
そこで、特性天然を無効化できる特性かたやぶりをもつポケモンが崩し枠としてしばしば挙げられます。
代表的なポケモンだと、ドリュウズやオノノクス、ルチャブルなどが該当します。
しかしながら、アーマーガアなどの明確な物理受けの存在、熱湯やけどの不安要素、毒やあくびをからめた択の押し付けなど、これらのポケモンでは再現性の高い安定した処理ルート足りえないと思われます。
そこで今回提案したいのがガラルマタドガスになります。ガラルマタドガスは今作から新たに登場した新特性「かがくへんかガス」を有しています。
先ほど紹介したかたやぶりと同様の性質ですが、少し仕様が異なっています。
- かたやぶり…相手の特性を無視して攻撃する
- 化学変化ガス…相手の特性の存在自体がなくなる
ガラルマタドガスはかたやぶりと同様に、相手の天然を無視して自分の能力が上昇している状態で攻撃します。
そのため毒技が通る対面でダイマックスし、ダイアシッドを連打することで自らの特殊攻撃を向上させて火力を押し付けていくことが主な運用方法になります。
2.受け回しへのガラルマタドガスの有効性
かがくへんかガスは相手ポケモンの特性を無効化します。そのため
こうした点が特に従来のわるだくみアタッカーと異なります。サザンドラやトゲキッスでは特殊耐久に分厚いバンギラスに切り返されてしまいますが、ガラルマタドガスならば一貫させることができます
【モデルケース】 C特化帯ガラルマタドガスvsHAバンギラス
有利対面でダイアシッドをうつ。その交代際で相手がバンギラスに引く場面を想定
ダイアシッド 13~15.4%
+1ダイアシッド 9.4~11.3%(相手ダイマックス)
+2ダイフェアリー 106.7%~125.8%
チョッキ以外は落ちますし、チョッキの場合は弱点保険による切り返しを受けません。
3.受け回し側のごまかし手段の拒否
先ほども説明しましたが、受け回し側は毒やあくび、やけどによるごまかし手段を持っています。
しかしながらガラルマタドガスは毒タイプなので、どくどくによる負担を受けません。それどころか浮いていない毒タイプなので相手の撒いたどくびしを回収することもできます。
それに加えてガラルマタドガスはフェアリータイプも有しているため、タイプ一致のダイフェアリーをうつことであくびをはじめとした状態異常によるごまかしから逃れることができます。
これにより、トリトドンやブラッキー、ヌオーカビゴンなどのあくびに耐性を持つことができます。ラムの実を持たず火力アップアイテムを持たせることができるというのは非常に大きいです。
またガラルマタドガスはサブウエポンも優秀です。10万ボルトや火炎放射など命中安定の特殊高火力技も覚えるため、幅広い相手に熱湯やけどを憂慮することなく抜群以上の安定打点を持つことができます。
H振りヌオー
+1ダイフェアリー 96.5~113.3%
H振りトリトドン
+2ダイフェアリー 99.0~116.9%
HD特化ドヒドイデ
+2帯ダイサンダー 105.7%~125.4%
H振りアーマーガア
+1帯ダイサンダー 122.9%~145.3%
H振りナットレイ
帯火炎放射 100.5%~119.3%
(ダイサンダーやダイバーンによる追加効果の恩恵を受けるので十分に能力を上げられなくても連打により崩しが可能)
4.潰し枠への対応力
純粋な受け回しのほかにも、こちらの崩しができるポケモンをつぶすことができる、いわゆる潰し枠を同伴させる構築も存在します。
その中でも比較的採用率の高いドラパルトやヒヒダルマに対しても、ダイマックス状態ならば五分以上の戦いが十分にできるというところもガラルマタドガスの強みです。
ドラパルト対面 (HA意地ドラパルト想定)
ダイホロウ 30.5%~36.1%
-1ダイスチル 56.6%~67.2%
ダイアシッド 8.4%~10.2%(弱保ケア)
+1ダイフェアリー 107.1%~126.1%
A192地震 64.1%~76.7%
火炎放射 乱数43.7%(大文字では確定)
5.サンプル調整
改善の余地はあると思いますが、自分はこのような調整で使っていました。
技:ワンダースチーム クリアスモッグ 10万ボルト 火炎放射
持ち物:たつじんのおび
性格:控えめ
努力値:159(148)-×-143(20)-150(252)-91(4)-91(84)
火力重視のC特化。広範囲に弱点が付けるので連打性能を意識して今回は反動のない帯を持たせてみました。
素早さに振っていないアーマーガア、ピクシー、バンギラス、ブラッキー、マホイップ、などの上を取りたいのでS振り。
残りを耐久に回すことでドラパルトやギャラドスなどに対する最低限の打ち合い性能を持たせました。
毒技のウエポンはヘドロばくだん、ヘドロウェーブなどと選択ですが、今回はクリアスモッグを採用しました。これにより、ピクシーやカビゴンの詰ませを回避できたり、ミミッキュやパルシェン、ロトムなどの安易な積みをとがめることができます。毒技のダイマックス技の特性上、火力の低いどくわざを採用してもダイアシッドの火力にそこまで変化がありません。
フェアリーウエポンのワンダースチームは威力90命中95で20%の確率で相手を混乱させます。(ムンフォは覚えないので一応マジシャとの選択になります)
6.その他
受け回し以外にも、かがくへんかガスはさまざまな場面で有効に働きます。
【天候パの展開阻止】
バンギラスの砂が展開されない(マタドガスが場から退場すると発動)
他にも日照りやあられ、あめふらしなど特性により天気が変化しない。
【ロンゲ展開阻止】
いたずらごころが発動しない(オーロンゲに上から壁を張られない)
H振りロンゲ ワンダースチーム 96.0~113.8%
【独特な対面性能】
ヒヒダルマの五里霧中による火力アップ補正がなくなる(打ち分け可能)
同様にホルード、ウオノラゴン、パッチラゴン、アイアント、ストリンダ―、オニシズクモなどの火力が落ちる。
⇒自らの火力を特性に依存しているポケモンとの殴り合いが可能になります
- ウオノラゴン A142 エラがみ 乱数43.7% (252-4 で確定耐え)
- アイアント A161珠ダイスチル 63.3%~75.5%(互いにDM)
スキルリンクが発動しない
猛火、激流、新緑の無効化
くいしんぼうにより回復木の実が通常条件で発動
【その他】
- トゲキッスの怯み確率、急所確率が落ちる(体感変化はないが)
- オニゴーリのムラッケが発動しない
- かわりものによりメタモンが即座に変身しない
- のろわれボディによる縛りを受けない
- 根性の無効化(=ただ勝手にやけどになる)
- クレベースの頑丈無効
- かげふみから逃れられる
他にも化学変化ガスが有効に働く場面などがあったらぜひ教えてください
7.まとめ
説明は以上となります。ここまでお付き合いいただきありがとうございました!
もし並びでの崩しが難しいと感じた時は、ぜひ使ってみてください。
あと憎たらしいピクシーが減ってくれることを願ってます!w
よければ拡散もお願いします。