机上論人間

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五月雨を集めて早しラグラージ

世界で一番俺が運悪い ー運負けしたときのメンタルコントロールー

世界で一番俺が運悪い

 


って運が絡むゲームをやってたら思う時は必ずある

 

「まあそんなこともあるでしょ。いちいちそんなんで文句言ってたら始まんないし気持ち切り替えて次行かないと」

 

と、運が悪くて怒ってる人に真顔でこんなことを言ってしまう奴が世界で一番嫌いだ。そんなこと世界中の全員が頭では理解はしている。ただ納得してないだけの話である

 

むしろ
「いや俺なんてもっとやばい(確率的により起こりにくい)理不尽を受けた””けど””」

みたいなインターネットオタク特有の不幸マウンティングの方がよほど健全に思える

 


キレなきゃむしろ人間じゃねえ」は本当に芯を突いてる言葉だと思う。理不尽を受けてメンタルに全く来ない方が逆にどうかしている


だけど運が絡むゲームは運が悪くてキレた奴から負けていく。本当は有利だったはずの勝負でも落ち着いてれば絶対に間違えないようなミスをしたり、強気すぎるもしくは弱気すぎるような偏った期待値的に損な選択を繰り返してしまったりして取りこぼしてしまう


ポケモンや麻雀など他にも数々の運ゲーをしてきたが、どうメンタルコントロールするのがいいか自分なりに今まで色々試してきた


まずは””ブレない強い心を養う””ことを目指した。理不尽を受ける度に「こういうこともあるよね」と頭の中で繰り返し唱え刷り込み自らを洗脳していく作戦である


結論から言うと無理だった


あまりにも哲学的すぎて全く実践的でなかった。「こういうこともある」と自らに諭しつつも、であれば「こういうこと」が起きる確率はどれほどであるか平静を装いつつ計算し「これほどである」という結論が出たあと沸々と怒りが湧き上がる自分を感じざるを得ないのだ


どうあがいても「キレなきゃむしろ人間じゃねえ」なのである。キレてストレスを発散しないことには次に進まないのだ

 

そこで「まずは一回キレてそこから落ち着く」方針にした。いや、キレてからすぐに落ち着ければ誰も苦労しないやろという話ではあるが、それではどうやったら「落ち着ける」のか


そこで「運負けツイートをする」という方法を試した。「起きたことを書き留めると脳が安心して緊張感が解け忘れることができる」という””脳科学的な””アプローチだ


だがTwitterは数時間後にはまた開く。時間と共に落ち着きを取り戻しても過去に起きた理不尽をもう一度目にすることになりまたネガティヴな印象が残るため瞬間的にストレスを発散できても根本的な解決にはあまりならないと感じた。そもそも運負けツイートを手あたり次第すること自体あまり好ましい行為とは言えない


結局「落ち着く」ためには自分ばかりが理不尽を受けてないことを再認識するしかない。ハズレクジを引かされたそのワンシーンばかりを回想し続けてしまうことに問題がある。なのでその回想からいかに立ち直るか、その方法を考えることになる

 


自分なりの結論としては「自分が運が良かった時にあえて大袈裟に喜んでおくことで印象付けておく」ということになった。その回想に陥ってしまってからではもう遅い。立ち直るためにはその理不尽をあらかじめ準備しておく必要があるのだ。「まあでもあの時静電気で麻痺って一発で痺れさせて暴風当ててピヨらせて自傷して倒したししょうがないか」といったポジティブな思考をいち早く頭に巡らせることが一番の解決策だと感じた


ネガティヴバイアスを乗り越えるためにはポジティブなイメージを意図的に脳内に残し続けるしかない


ここまで理不尽を受けた時の立ち回り方について述べてきたが、そもそも自分で””観測する””運量は決して平等ではなく常に不利であり、確率的に収束しないという認識を持つということが必要である


もちろん数学的には確率自体は収束していくのは当たり前だが、不確定不完全情報ゲームにおいては自分が幸運だと知覚する頻度と自分が不運だと知覚する頻度の回数は等しくならない(より厳密にいえば個々の事象における運の偏りを足し合わせた和は0にはならない)


簡単に言うと「自分には見えず相手にしか見えない情報があるので相手視点では運が良くないことが起きても自分からはわからない」ことが頻発するということだ。例えば「急所に当たった時に自分からは確定で落ちるから関係ないと思っていても相手視点では確定耐え調整をしているため有効急所になっている」「他家がツモった牌は自分視点ではラス牌だった」などのケースである。


要は「確率的に収束せず自分ばかりが損をしていると知覚してしまうのが当然のゲームである」という前提を強く意識する必要があるし、だからこそ自分に運が向いた瞬間を積極的に探しにいくということがより重要になってくるのではないだろうか


そういう嫌な思いをすることの方が多いゲームなのについついやってしまう、よく出来たゲームだなと感心しつつ、今日もまた懲りずに発狂し続けるのだ

 

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